2020年05月22日
オーディオ奮戦記 第63回 弊社設備着磁の改良
新型コロナウイルスの問題で回りは非常事態、大阪は、今日から一部解除されましたが油断は禁物
弊社も時間短縮、テレワーク、の実施、消毒、手洗い等の義務化 など対策しています。もう暫く延長です。
去年の11/25からブログの立ち上げを行っていませんでした。オーディオはその後変化はありません。
何していたか?と、全くオーディオとは関係が無く設備の改良をしていました。
弊社は社名の如く磁石を扱っている会社で約30年前の磁気を入れる装置があり、この装置は磁気を入れる着磁専用なので、磁気を抜く脱磁も出来る様に改造に取りかかっていました。
既に1台が違う階にあり脱磁作業の移動に時間が掛かり効率化を行うものです。
磁気を抜く脱磁は空芯コイルに電流の向きが変化する交流減衰を加えます。この現象は電気用語で「並列共振」といい、空芯コイルの中はN、S極が減衰しながら入れ代わります。この時間は非常に短く着磁の時で約数uS, 脱磁の時はその数倍かかります。着磁、脱磁では通電時間が違うのです。
この装置を製造されたメーカーが既に10年位前に廃業されているので制御回路の基盤の配線が分からない
要するに、コンデンサーに蓄えた電荷をサイリスタで空芯コイルにONして大電流を短時間に流すもの、このサイリスタをONするゲートパルス電流が数uSと非常に短い、着磁の場合はこの時間でゲート電流が切れても後はサイリスタの特性の保持電流で通電する。
ところが、脱磁の場合は放電時間が長く交流なので、電流がプラスからマイナスなる時、ゼロになり保持電流が流れない
ゲート電流が切れるとその時点で電流がOFFになる。コンデンサーにはまだ電荷が残った状態である。
従ってゲート電流の通電時間を長くする必要がある。
基盤で制御されているのだが、これを設計された人で無いと全く分からない!
そこで、新たに作る事にした。
この短時間のゲート電流で小型のサイリスタを駆動して保持電流を流し続けタイマーで0.3秒に設定してOFFする。
この0.3秒を通電用サイリスタゲートに加える。という発想で、設計に入った
昔、自作の装置を2台作っているのだが、全く忘れている。一からサイリスタの勉強から始める
試行錯誤しながら2ケ月が過ぎて完成した。
我ながらの達成感 MAX、DC2500Vまで印加するので危険な作業だ、出来てよかった。
脱磁は完璧に出来、残留磁束も無く、ただの石ころになった。勿論、着磁も出来る。まだ着けていないがこの切り換えはナイフスイッチで行う。
自作のゲート回路それが写真の左
着磁装置に取り付けたのが真ん中(まだネジ止めしていない、仮置きの状態)
装置の横側、蓋を外してある。(下の段のグレーの固まりがコンデンサー、2,400uF、上段が制御回路)